空梅雨ではないのでしょうが、今のところ東京地方の降雨量は少ないですね。
明日も暑い一日のようです。

さて、こんな事例があったとします。
1.所有移転 A
2.条件付所有権移転仮登記 B(農地法5条)
3.地目変更 畑→宅地(農地法4条)
4.所有権移転 B(仮登記の本登記ではない、別の所有権移転登記)
5.所有権移転 C(相続)

この土地をDに売買による所有権移転登記をしようという話し。
たしかに、Bの仮登記は、その後にBが所有権を取得したときに混同により消滅しています。

そのことは、登記記録上明らかなので、抹消登記なくして対抗できる事案ではありますが・・・。
でも、見た目にスッキリしないですよね。

そもそも、農地法5条を条件として仮登記をした後に、農地法4条の許可で地目変更をしたわけですから、その段階で「条件不成就」を原因として仮登記を抹消するか、Bに所有権移転登記をしたときに「混同」を原因として仮登記を抹消すべきだったんですよね。

しかしながら、このような登記記録は、今回だけではなく、たまに見かける登記記録ではあります。

たしかに、その後に融資を受けて抵当権を設定していることもありますが、果たしてすべての金融機関が、混同で消滅しているとは言え、仮登記が残っている状態で融資をするのでしょうか?

また、不動産業者は、混同で消滅しているとは言え、仮登記が残っている状態で仕入れをするのでしょうか?

本事例の場合、Bに相続が発生しているので仮登記を抹消するには、Cを含めた相続人全員の関与が不可欠です。

仮に、本事例の所有権移転(売買)の依頼を受けたとして、「相続人の一人が非協力なので、仮登記の抹消はできません。」ってことになった場合、登記記録上、仮登記が混同により消滅していることが明らかだから受託しますか?
それとも、仮登記の抹消ができない以上、受託を拒否しますか?

私なら拒否します。