少し前のことですが、懇意にしているA不動産業者の担当者から連絡がありまして。
売却依頼がある不動産の所有者から、売却の前提として、当該不動産の共有名義を依頼者単独名義にして、設定されている抵当権の債務者を依頼者に変更して欲しい旨の要望があるとのことでした。

その後は、A不動産業者の担当者を介することなく、不動産の所有者に事務所に来てもらったりして、直接やり取りをしていました。
抵当権の債務者変更も、不動産の所有者から銀行に話をしてもらい、銀行の担当者と直接やり取りをして進めて行きました。

依頼者も忙しい方で、こちらとしてはすぐに動いていたのですが、なかなか思うように進みませんでした。
その間、A不動産業者の担当者からは何度か照会があり、都度状況を伝えていました。

で、しばらく経ったある日のこと。
突然、まったく違うB不動産業者から電話が来まして。
「契約が決まったんですけど、現在前提手続きの進行状況はどんな感じでしょうか?」とのことでした。

・・・へ?
依頼者にも確認をしたのですが、私に前提登記の紹介をしてくれたA不動産業者ではなく、別のB不動産業者の仲介で売買契約を決めてしまったようです。

まぁ、そんなこんなで、不動産を依頼者単独名義にする登記と、設定されている抵当権の債務者を依頼者に変更する登記は先日完了しました。
B不動産業者に、登記が完了した旨の連絡をすると、担当者から「売買登記も依頼しても良いんですけど・・・」と言われましてね。

一見にもかかわらず、そう言っていただけたのはとてもありがたいことです。
それに、前提手続きでのやり取りもあったので、依頼者である売主や債務者変更をした銀行の担当者とも話がしやすく、とてもやりやすい案件・・・と言うか、やりたい案件です。

でも、今回の前提登記の依頼は、懇意にしているA不動産業者からの紹介によるものです。
そのA業者が仲介できなかった以上、私も売買登記を受けるわけには行かないかなー?と思ったしだいです。

そんなわけで、今回は前提登記だけでと言うことで、売買の方はお断りしました。
バカみたいだと思われるかもしれませんが、自分なりの仁義ってことで。