特例有限会社の代表取締役死亡による変更登記の依頼がありました。
久しぶりの案件なので、ちょっとメモとして残しておきます。

取締役がAとB、代表取締役がAの会社です。
今般、Aが死亡しました。
まぁ、事案としてはよくあるケースかも知れません。

さて、ここで論点があります。
残った取締役Bの代表権は復活するのか?です。

まず、特例有限会社の選任方法には3パターンあります。
1.定款で選任する
2.株主総会の決議で選任する
3.定款の定めに基づく取締役の互選で選任する
・・・の3つです。

このうち、「1」と「2」は「特定代表」ですね。
つまり上記事案だと、Aは最初から代表権を有する取締役として選任されていて、Bは最初から代表権を有しない取締役として選任されています。
そんなわけですから、今回のようにAが死亡しても、Bの代表権は当然には復活しません。

そして、残る「3」は「互選代表」ですね。
この場合だと、AもBも代表権のない取締役として選任されており、Aは互選によって代表権が付与されることになります。
つまり、取締役地位の上に代表取締役の地位が乗っかる二層構造ですよね。

では、「3」であれば、どんな場合でも残ったBの代表権が復活するのか?が最後の問題になります。
これも場合わけが必要になります。

まず一つ目は、定款で、「取締役2名以内を置き、取締役の互選をもって1名を代表取締役とする。」と言うような規定がされている場合です。
この場合だと、「取締役2名以内を置き」なので、取締役が2名いる場合には代表取締役を定める趣旨となり、今回のように代表取締役Aが死亡し、取締役がB1人になってしまった場合には、Bの代表権が復活します(登記研究第254号質疑応答)。
ちなみに、今回依頼を受た会社はこの内容でしたので、取締役Bから代表取締役たる取締役Aの死亡による変更登記の申請をしました。

そして、もう一つ。
「3」ケースでもBの代表権が復活しない場合があります。
定款で、「取締役2名を置き、取締役の互選をもって1名を代表取締役とする。」と言うような規定がされている場合です。
この場合は、取締役の定数が2名なので欠員が生じていますから、後任の取締役Cを選任し、その上でBとCの互選により、代表取締役を選任する必要があります(登記研究第181号質疑応答)。

司法書士試験の受験時代からそうでしたけど、この論点って添付書類にも影響がありますから面倒ですよね。