そんなに多いわけではありませんが、かと言って少なくもない、根抵当権の債務者が死亡した場合の登記。
依頼は根抵当権者である金融機関からです。
最近、依頼を受けたので、この場合どこまでの登記をするか?と言うことを書いてみます。

前提として、根抵当権者がX銀行で債務者がA。
債権の範囲は「銀行取引 手形債権 小切手債権 電子記録債権」
債務者Aが死亡して相続人がBとC。
死亡してから6か月以内の登記申請です。

おそらく金融機関の担当者から「債務者Aが亡くなったんで、債務者をBにしたいんです!」と言う感じで依頼があると思います。
そうすると、まず相続を原因として債務者をBとCにする変更登記をします。
次に、指定債務者をBとする合意の登記をしますね。

で、依頼者・・・つまりX銀行がどこまで望んでいるか?なんですよね。
単にX銀行が、この根抵当権を確定させたくなく、今後はBを債務者として取引を継続したいと言うだけであれば、ここまでで終了して良いと思います。

担当者に聞いてみると、今回は単に「債務者をBにしたいんです!」と言う内容ではなく、「Cの(相続)債務をBが引き受ける」と言う内容も含まれていました。
となると、もう一つ登記をする必要があります。

まず、債務者を「指定債務者B」から単なる「債務者B」に変更します。
それと同時に、BがCの相続債務を引き受けた瞬間、被担保債権の範囲から飛び出してしまい、当該根抵当権では担保されなくなってしまうので、債権の範囲の変更をします。

では、従来の債権の範囲である「銀行取引 手形債権 小切手債権 電子記録債権」に、この引き受けた債務を追加する変更をすればいいのか?と言うことになりますが、それだけではBがAから相続した債務が担保されなくなってしまいます。

ということで、以下の根抵当権変更登記を申請することになります。

変更後の事項   債務者
            どこどこ何丁目何番何号  B

            債権の範囲
            銀行取引 手形債権 小切手債権 電子記録債権

            平成○年○月○日債務引受(旧債務者C)にかかる債権

            平成×年×月×日相続によるBの相続債務のうち変更前根抵当権の被担保債権の範囲に属するものにかかる債権


そんなわけで、根抵当権の債務者が死亡したときの登記の依頼が来た場合、金融機関の担当者にどのようにしたいのか?をヒアリングすることが重要ですよね。
以上、ご参考まで。