昨日書いた内容にも関連しますが、抵当権の連帯債務者の一人の相続に関して書いてみたいと思います。

〔ケース1〕
1.連帯債務者A・B→Aが死亡
2.連帯債務者Aの相続 連帯債務者B・C
3.連帯債務者Cの免責的債務引受 連帯債務者B
このケースが、昨日書いた登記インターネットに掲載されている事例です。

元々、AとBが連帯債務者だったところ、Aが死亡し、相続人がBとCの事例です。
最終的に、BがCの債務を免責的に引受けて、債務者がB単独になるので、「債務者B」になると思われがちですが、元から連帯債務者であったBの債務と、連帯債務者Aから相続した債務は、併存しているので、あくまでも「連帯債務者B」となります。

〔ケース2〕
1.連帯債務者A・B→Aが死亡
2.連帯債務者Aの相続 連帯債務者B・C
3.連帯債務者Bの免責的債務引受 債務者
このケースは、最終的にCがBの債務を免責的に引受けた事例です。
ちなみに、今、申請中なのは、こちらの事例です。

この場合だと、最終的に債務者となるCは、元々連帯債務者だったわけでは有りません。
連帯債務者Bの債務の全て(元から連帯債務者であったBの債務と、連帯債務者Aから相続した債務)を、他の連帯債務者Cが免責的に引き受けて、Bが連帯債務から脱退しますので、単独債務者になり、「連帯債務者」ではなく「債務者」となります(新訂不動産登記書式精義中巻1118ページ)。

その辺をはっきりとさせるために、登記原因証明情報にも「本件抵当権の連帯債務者Bが、抵当権者甲に対して負担している全ての被担保債務について、Cがその被担保債務の全部を免責的に引受けるける旨を合意した」と明記しました。

予想通り、法務局から「最終的に、連帯債務者Cではないか?」電話が掛かってきましたが、上記の通り説明をして解決しました。

抵当権の連帯債務者の一人の相続って、簡単そうで、実はややこしい案件なんですよね。