不動産業者の担当者から、問い合わせがありました。
中古住宅取得時の住宅用家屋証明書取得の件です。

ご存知のとおり、鉄骨造や鉄筋コンクリート造等の建物については、原則として取得の日以前25年以内に建築された物であれば対象になります。

例外として、建築後25年超であっても対象になる場合があるわけですが、それは、現行の耐震基準に適合していることについて、建築士等が発行する「耐震基準適合証明書」を添付した場合です。

で、問い合わせの内容なんですが・・・
1.現在の耐震基準が適用されたのは昭和56年6月1日である。
2.では、25年を経過していても、それ以降に建築確認を受けた建物であれば、当然に現在の耐震基準に適合しているのだから、耐震基準適合証明書が無くても住宅用家屋証明書が発行されるのではないか?
・・・と言うものでした。

う〜ん・・・言われてみると確かに。
事務所にあります「住宅用家屋証明書の手引き」で確認をしてみました。
「着工年月日に関わらず建築後25年超(一定の場合は20年超)の家屋である場合は、耐震基準適合証明書が必要である。」との記載がありました。
やはり、家屋証明書を取得するには耐震基準適合証明書が必要です。

で、なぜ、担当者がこのような疑問をもったかと言うと、不動産取得税の適用との差異なんです。
上記書籍の続きにも書いてありましたが、「(注)中古住宅について不動産取得税の軽減措置の適用を受ける際には、昭和57年1月1日以降に着工された家屋の場合は耐震基準適合証明書は不要とされている。」と言う扱いなんです。

つまり、不動産取得税に関しては、昭和57年1月1日以降に着工された家屋の場合は現在の耐震基準に適合みなしとなっています。

同じ尺度の規定を利用するにもかかわらず、税金の種類によって、特例を受けるための書類が変わって来るというのもおかしな話しだと思うんですが、いかがでしょうか?

ちなみに、今見たら上記の書籍は最新版が発売されているようです。
<四次改訂> 登録免許税の軽減のための住宅用家屋証明の手引き

さてと、今日はこれから東京会の研修があります。
テーマは「任意売却にかかる法律と登記の実務」です。