昨日に比べると過ごしやすい陽気の一日でした。
予報のとおり、夕方から雨が降り始めた東京地方です。

さて、今日は仕事のことでも。
少し前のことですが、私がAからBへの売買を原因とした所有権移転登記をしました。
で、このBは、すぐにCへ転売をしたようです。

実は、Aは宗教法人でした。
宗教法人法には、以下のような規定があります。

第二十三条  宗教法人(宗教団体を包括する宗教法人を除く。)は、左に掲げる行為をしようとするときは、規則で定めるところ(規則に別段の定がないときは、第十九条の規定)による外、その行為の少くとも一月前に、信者その他の利害関係人に対し、その行為の要旨を示してその旨を公告しなければならない。但し、第三号から第五号までに掲げる行為が緊急の必要に基くものであり、又は軽微のものである場合及び第五号に掲げる行為が一時の期間に係るものである場合は、この限りでない。
 不動産又は財産目録に掲げる宝物を処分し、又は担保に供すること。
 借入(当該会計年度内の収入で償還する一時の借入を除く。)又は保証をすること。
 主要な境内建物の新築、改築、増築、移築、除却又は著しい模様替をすること。
 境内地の著しい模様替をすること。
 主要な境内建物の用途若しくは境内地の用途を変更し、又はこれらを当該宗教法人の第二条に規定する目的以外の目的のために供すること。
 

第二十四条  宗教法人の境内建物若しくは境内地である不動産又は財産目録に掲げる宝物について、前条の規定に違反してした行為は、無効とする。但し、善意の相手方又は第三者に対しては、その無効をもつて対抗することができない。

つまり、今回AがBに売った不動産は第23条第1項第1号に該当するため、公告をする必要がある他、当該法人の規則により、各種機関の承認を得なければならないことになっていまして。

私がAからBへの所有権移転登記を終えて、しばらく経ったころにBからCへの所有権移転登記を担当する司法書士から電話が来ました。
「Aは宗教法人だが、宗教法人法で定められている承認や公告は適法にされているのか?されているのなら、その議事録等が欲しい。」とのことでした。

ところで、みなさんがAからBへの登記の代理人になる場合、これらの書類の確認ってしていますか?
今回は、事前資料として各種議事録、公告をした掲示板の写真、機関紙などをメールで受け取っていたので、確認はできていました。
ただ、口頭で確認をするだけで、書面まで見られない場合もありますよね。

守秘義務もありますから、相手の司法書士には、口頭で決議日、公告日、機関紙の発行日を伝えて、「手元に全部ありますけど、あなたに見せることはできません。」と断りました。
私が確認をしていると言うことで、納得はしてくれましたけどね。

てか、逆の立場として、自分が担当する所有権移転登記の売主が、宗教法人から所有権を取得している場合、そこまで調べる必要があるものなのでしょうか?
たまたま、私が担当した登記は直近でしたけど、AからBへの所有権移転が10年前だったらどうしていたのでしょうか?
突き詰めてしまえば、錯誤はなかったか?強迫はなかったか?なども確認しているのでしょうか。

疑問だらけです。